生活保護の金額と並行して、給料などの収入を申告する制度(#生活保護 #仕事 #申告)

仕事したときは申告が必要

生活保護費の受給と働く給料は両立できるのか?

生活保護を申請して、受給している場合、収入は申告義務があると聞いたことがあるのだけど...

例えばアルバイトで3万円の給料をもらった場合、
保護費の13万円が10万円になるだけで、
勤労したぶん、ただの働き損ではないのですか?

生活保護を受けながらアルバイトなどで働いた場合、
給料の分だけ保護費が減らされて損になりませんか?

回答

  • 結論からお伝えすると、

  • 「働いたら給料の分だけそのまま減らされて損をする」というのは誤解です。

働いた場合は「勤労控除」という仕組みが働くため、
働かないで全額受給しているときよりも「手元に残る合計のお金(手取り)が増える」ようになっています。

仕事した給料は調整して貰える

収入控除(勤労控除)の基本の考え方

生活保護受給中にアルバイトなどで働いた場合、給料の全額が保護費から差し引かれるわけではありません。

手元に残る総収入 =「控除後の保護費」+「バイト給料」

「勤労控除」として引かれずに残る分があるため、
【働かない状態の保護費】よりも必ず総額が多くなります。

働くことで交通費や衣類代、社会交際費などの出費が増えることへの配慮や、
「働いて自立しようとする意欲を応援する(勤労意欲の増進)」目的で、
この手元に残せる枠(控除)が法律で認められています。

生活保護を受けている人が働いて得た収入(給料など)は、以下のような計算で保護費に反映されます。

保護費として引かれる額(収入充当額) = 収入 - 収入控除(基礎控除 + 必要経費など)

  • 基礎控除

    働いた額に応じて「手元に残してよい」と認められる金額です。

    収入が増えるにつれて控除額も段階的に増えていきます。

  • 必要経費

    通勤にかかった交通費や、仕事に必要な衣類・道具代、社会保険料などは収入から差し引くことができます。

収入控除(基礎控除)の計算イメージ

勤労控除のなかで最も基本となるのが「基礎控除」です。
収入が増えるにつれて控除額も大きくなるよう段階的に決められています。

例えば、毎月の最低生活費(本来支給される保護費)が 13万円 の世帯を例に見てみましょう。

【計算の具体例】(最低生活費が13万円の単身世帯の場合)

アルバイト収入
(月額)
基礎控除
(手元に残る額)
差し引かれる保護費実際の手取り合計
(保護費+バイト代)
0円
(働かない)
0円0円130,000円
15,000円15,000円
(全額控除)
0円145,000円
(+15,000円増!)
40,000円約17,200円約22,800円147,200円
(+17,200円増!)
80,000円約22,400円約57,600円152,400円
(+22,400円増!)
  • 収入が8,000円まで

    稼いだ額が全額そのまま手元に残ります(保護費は一切減りません)。

  • 収入がそれ以上の場合

    収入が増えるごとに手元に残るお金(控除額)も増えていきます。

交通費(電車代・バス代など)や社会保険料・税金などの必要経費も実費として控除(差し引く)対象になります。

その他の手元に残る控除制度

基礎控除のほかにも、状況に応じて以下のような控除や積立の仕組みが用意されています。

  • 新規就労控除(特例)

    これまで働いていなかった方が新たに就労を始めた場合、
    一定期間、基礎控除に加えて上乗せで手元に残せる金額(特別控除)が増える場合があります。

  • 就労インセンティブ(未成年者・高校生など)

    高校生のアルバイト収入などについては、進学費用や就職準備のために貯蓄できるよう、
    通常の控除よりも手元に残せる金額が多く設定されています。

  • 就労自立給付金

    働き始めて収入が安定し、生活保護を抜ける(廃止になる)ことになった際、
    それまで働いていた期間や収入に応じてまとまった一時金(給付金)が国から支給される制度もあります。

収入があったら申告が必要

働く際の重要な注意点

  • 収入申告は必ず行う

    アルバイトなどで収入を得た場合は、毎月必ずケースワーカーへ「収入申告書」と給与明細を提出する必要があります。

    申告を怠ると「不正受給」とみなされ、控除が受けられなくなるだけでなく、過去に遡って保護費の返還やペナルティを受けることになります。

  • 交通費の領収書や明細を保管する

    自腹で支払った通勤交通費などは必要経費として認められます。
    証明できる書類(領収書や乗車履歴など)は大切に保管しておきましょう。

  • 事前にケースワーカーに相談する

    「バイトを始めたい」「この条件で働こうと思っている」ということ、あるいは、
    働き始める前に「どのくらい働くと保護費や控除がどう変わるか」などを、
    事前にケースワーカーに相談しておくと、必要な手続きや控除の計算方法をあらかじめ教えてもらえるので安心です。

収入申告書が重要

収入申告書の提出は特に重要とお話ししました。

生活保護受給中の重要な義務である「収入申告書」の書き方と提出のルールについて解説します。

収入申告は、正しく保護費を計算し、先ほどお話しした「収入控除(手元に残るお金)」を正しく受けるために不可欠な手続きです。

1. 毎月いつまでに提出する?(提出のルール)

  • 提出期限

    一般的に毎月10日前後(自治体により「5日」「15日」など異なります)

  • 提出先

    担当のケースワーカー(または福祉事務所の窓口・郵送)

前月分の給料が確定したら、給与明細をもらってすぐに記入・提出するのがスムーズです。

【注意】もし遅れそうなときは?

会社の給料日の都合で期限に間に合わない場合は、あらかじめケースワーカーに「給料日が◯日なので、◯日に提出します」と連絡しておけば問題ありません。
無断で遅れると保護費の支給がストップ(保留)することがあるため、事前の連絡が大切です。

2. 収入申告書の書き方

福祉事務所から配られる「収入申告書」のフォーマットに沿って記入します。
書き方はとてもシンプルです。

記入する主な項目

・対象となる月(例:◯年◯月分)

・働いた人の名前(世帯の中で働いた本人)

・勤務先の情報(会社名・店名など)

・稼働日数・時間(当月働いた日数)

・総支給額(額面)
手取り額ではなく、税金や社会保険料が引かれる前の「総支給額」を書くのが原則です。

・交通費(実費)
自腹で払った通勤電車代やバス代などは控除(必要経費)になるため、分けて記入します。

3. 一緒に提出する(添付する)書類

申告書と一緒に、数字の証明となる書類を添付します。

・給与明細書のコピー(必須)

・交通費の領収書や乗車履歴(自腹で交通費を払っている場合)

・日雇い・手渡しの場合は「収入証明書」やメモ
(明細が出ない場合、ケースワーカー指定の用紙に書くか、日毎の金額をメモして提出します)

これだけは注意!「申告漏れ」を防ぐポイント

  • 単発バイト・手渡しの給料も対象です

    「1日だけの単発バイト」「知り合いの手伝いでもらったお礼(手渡し)」などもすべて申告対象です。

    「明細がないから」「口座に入っていないから」と申告しないでおくと、
    後から発覚した際に不正受給(徴収金の対象)となってしまいます。

  • 高校生などのアルバイトも申告が必要

    同居している子ども(高校生など)がアルバイトを始めた場合も申告が必要です。

    校生の場合は、修学旅行費や進学費用として貯蓄できる特例の控除(就学等控除)があり、
    手元に多く残せる仕組みになっています。

困ったことや記入方法で迷ったときは、給与明細を持参してケースワーカーに「書き方を教えてください」と相談すれば親切に教えてもらえます。

立て直しと自立の制度

収入が生活保護費を超えると

生活保護を受けながら働く場合、
月いくらまで稼ぐと生活保護から抜け出す(廃止になる)ことになるのでしょうか?

生活保護を抜け出す(保護の廃止になる)基準は、一律で「月〇〇万円」と決まっているわけではありません。

目安となるのは、
「世帯に定められた『最低生活費』以上の収入を、安定して稼げるようになったかどうか」です。

廃止になる収入のボーダーライン

具体的には、以下の条件を満たしたときに保護が廃止(脱却)となります。

  • 実収入から必要経費(交通費など)を引いた額が、国が定める「最低生活費」を上回る
  • その状態が一時的ではなく、継続的(おおむね6ヶ月以上など)に続くと見込まれる

【具体例】単身世帯(1人暮らし)の場合

・最低生活費が「月13万円」の地域・世帯の場合:

毎月の給料(実収入)から通勤交通費などを引いた額が 13万円〜15万円以上 になり、
今後も安定してその収入が続く見込みが立つと、生活保護は廃止(終了)となります。

医療機関への通院が多く「医療扶助」の自己負担分が大きい場合は、それらも含めた総額を上回る収入が必要になるケースもあります。

いきなり打ち切られるわけではありません(「停止」の猶予)

「今月たまたま残業が多くて15万円稼げたから、即廃止!」とはなりません。

  • 「保護の停止」というクッション期間

    収入が増えて最低生活費を超えた場合、まずは「保護の停止」という状態になります。

    (保護費の支給は0円になりますが、受給者の資格自体は残ります)。

  • 数ヶ月の様子見

    数ヶ月間(通常3ヶ月〜6ヶ月程度)という、実際の一定期間を働いてみましょう。

    体調を崩さず安定して働き続けられることが確認できてから、正式に「保護の廃止(脱却)」手続きへと進みます。

働いて自立するともらえる「就労自立給付金」

生活保護を抜け出すレベルまで稼げるようになって保護が廃止になった場合、
ご褒美のような制度として「就労自立給付金」が国から支給されます。

・支給額の目安
単身世帯で最大10万円、複数人世帯で最大15万円

・目的
保護を抜けた直後の新生活(社会保険料の支払いや初期費用など)を支えるための一次金です。

自分の世帯の正確な「最低生活費(=自立に必要な目標金額)」は地域や家賃によって異なるため、
担当のケースワーカーに「うちの世帯は月いくら稼げたら自立ラインですか?」と聞いておくと、働く目標が立てやすくなります。

結論からお伝えすると、いくら稼ぐと生活保護が廃止になるかは一律で決まっていません。

生活保護から抜け出す(廃止になる)ラインは、「あなた(世帯)の毎月の最低生活費 + 勤労控除額」を働いて得た収入が超えたときです。

目安の金額(単身者の例)

住んでいる地域や家賃、世帯人数によって「最低生活費」が異なるため金額は変動しますが、おおよその目安は以下のとおりです。

・東京23区などの都市部(単身者)
最低生活費が約12万円〜13万円の場合
月額15万〜16万円前後(額面収入)を安定して稼ぐと廃止ラインになります。

・地方都市(単身者)
最低生活費が約10万円〜11万円の場合
月額13万〜14万円前後(額面収入)を安定して稼ぐと廃止ラインになります。

なぜ「最低生活費」より多く稼ぐ必要があるのか?

生活保護を受けながら働く場合、働いた収入の全額がそのまま計算に使われるわけではなく、
「勤労控除(基礎控除など)」という手元に残せるルールがあるためです。

計算のイメージ

例えば、月に15万円稼いだ場合、基礎控除(約2万〜3万円程度)が差し引かれます。

差し引いたあとの「収入認定額(約12万円)」が、
福祉事務所の定める「最低生活費(12万円)」を上回ると、
国から支給される保護費が0円になります。

つまり、「最低生活費と同じ額」を稼いでもすぐには廃止にならず、控除の分だけ余計に稼げる仕組みになっています。

収入が増えたあとの実際の流れ

  • まずは「停止」になる

    収入が最低生活費を超えて保護費の支給が0円になっても、すぐに「廃止(退会)」にはならず、
    まずは「保護の停止」(様子見の期間)になります。

  • 継続して稼げたら「廃止」になる

    数か月間、安定して最低生活費以上の収入が得られ、
    「もう保護がなくても生活できる」と福祉事務所が判断した時点で、正式に「保護の廃止」となります。

就労自立給付金について

働いて収入を得たことで保護が廃止になった場合、それまで働いた実績に応じて「就労自立給付金」(単身者で最大10万〜15万円程度)が国から一括で支給される制度もあります。

正確な金額を知るには

あなたの現在の「最低生活費」と「いくら稼げば廃止(または給付ゼロ)になるかの具体的な境界線」は、
担当のケースワーカーに「月に〇万円くらい稼いだらどうなりますか?」と聞くと、その場で正確にシミュレーションしてもらえます。

就労継続支援(A型)-就労継続支援(B型)

就労継続支援(A型・B型)とは、
障害や病気によって一般企業などで働くことが困難な方に対して、働く機会やトレーニングを提供する障害福祉サービスです。

自治体から発行される「障害福祉サービス受給者証」が必要となる制度です。

最大の決定的な違いは「雇用契約を結ぶかどうか」にあります。

A型とB型の主な違い

項目就労継続支援 A型就労継続支援 B型
雇用契約結ぶ(労働者として扱う)結ばない
対象ある程度継続して働く体力、
能力がある方
体調の波がある方、
自分のペースで働きたい方
報酬給与
(都道府県の最低賃金が保証される)
工賃
(作業量や成果に応じた報奨金)
勤務時間1日4〜8時間程度
(週5日など比較的決まったシフト)
週1日・1日1時間など、
柔軟に調整可能
年齢制限原則 18歳以上 65歳未満制限なし
(65歳以上でも利用可能)

就労継続支援 A型(雇用型)

事業所と雇用契約を結んで働きます。

  • 特徴

    労働基準法が適用されるため、最低賃金以上の給与がしっかり支払われます。
    (各種社会保険の対象にもなります)

  • 作業内容

    パソコンでのデータ入力、飲食店での接客・調理補助、軽作業、清掃など、一般企業に近い業務を行います。

  • こんな人に向いています

    一般就労を目指したいけれどいきなりは不安な方、
    決まった時間・日数でしっかり働きたい方。

就労継続支援 B型(非雇用型)

雇用契約を結ばず、体調や体力に合わせて自分のペースで利用します。

  • 特徴

    労働時間の縛りが少なく、体調に合わせて通うことができます。
    対価は「給与」ではなく作業成果に対する「工賃」として支払われます。

  • 作業内容

    手芸・ハンドメイド作品の制作、農作業、部品の組み立て、簡単なデータ入力など、無理のない作業が中心です。

  • こんな人に向いています

    体調に波がある方、まずは週数時間からリハビリ感覚で始めたい方、年齢などの理由で雇用契約が難しい方。

どちらのサービスを利用する場合でも、お住まいの自治体から発行される「障害福祉サービス受給者証」が必要になります。

利用手続きや事業所の見学については、市区町村の障害福祉窓口や、地域の相談支援事業所で相談できます。

就労継続支援A型やB型を利用するための申請手順

就労継続支援(A型・B型)を利用するための手続きは、
大きく分けると「相談・見学」「受給者証の申請」「事業所との契約」の3つのフェーズに分かれます。

申請から実際に通い始めるまでは、概ね1ヶ月〜2ヶ月程度かかります。

利用開始までの6ステップ

  • 1. 相談・事業所の見学(まずは情報収集と見学から)

    市区町村の障害福祉窓口、
    または相談支援事業所(手続きやプラン作成をサポートしてくれる専門機関)に相談します。

    ・実際に通いたいA型・B型事業所をインターネットやハローワークなどで探します。

    ・事前に事業所に連絡し、見学や体験利用を行い、自分に合いそうか確認します。

  • 2. 利用の申し込み(面接)(事業所へ応募する)

    通いたい事業所が決まったら、利用の申し込みを行います。

    ・A型の場合
    雇用契約を結ぶため、ハローワーク経由で応募し、採用面接や書類選考を受けるのが一般的です。

    ・B型の場合
    事業所との面談を行い、受け入れが可能か確認します。

  • 3. 市区町村へ「受給者証」の申請(サービス利用の正式な手続き)

    事業所への内定・受け入れが決まったら、お住まいの市区町村の障害福祉課(窓口)へ障害福祉サービス給付の申請を行います。

    ・必要書類の例
    申請書、障害者手帳(または医師の診断書・意見書)、マイナンバーが確認できるものなど。

  • 4. サービス等利用計画案の作成(相談支援専門員と一緒に作成)

    サービスをどのように利用するかをまとめた「サービス等利用計画案」を作成します。

    ・地域の指定相談支援事業所に作成を依頼するのが一般的です。(無料)

    ・自分やご家族で作成する「セルフプラン」を選択することもできます。

  • 5. 支給決定と「受給者証」の発行(自宅に受給者証が届く)

    市区町村による審査と聞き取り調査(認定調査)が行われ、
    支給決定が出ると自宅に「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。

    ・受給者証には、1ヶ月に利用できる日数(支給量)や自己負担上限額などが記載されています。

  • 6. 事業所と利用契約・利用開始(いよいよスタート)

    届いた「受給者証」を事業所に提示し、正式な利用契約を結びます。

    ・A型の場合
    併せて「雇用契約」を締結します。

    ・契約完了後、決まった日程から利用(勤務)開始となります。

申請時に知っておきたいポイント

  • 障害者手帳がなくても利用できる場合がある

    医師の診断書や意見書があれば、障害者手帳を持っていなくても市区町村の判断で利用許可(受給者証の発行)が出るケースがあります。

  • 自己負担費用について

    前年の世帯所得に応じて月額の上限額が定められています。
    多くの利用者(非課税世帯など)は自己負担0円で利用していますが、所得によっては一部自己負担が発生する場合があります。

まずは、お住まいの市区町村の障害福祉窓口か、地域の相談支援事業所に「就労継続支援を利用したい」と一度相談してみるのが一番スムーズです。

手帳のない方でも、以下のいずれかの証明があれば自治体に申請して受給者証を受け取り、利用することができます。

障害者手帳がなくても利用できる主なケース

就労継続支援(A型・B型)は、障害者手帳を持っていなくても利用できます。

就労継続支援(A型・B型)を利用するために必要なものは「障害者手帳」そのものではなく、
自治体が発行する「障害福祉サービス受給者証」だからです。

  • 医師の「診断書」や「意見書」がある場合

    うつ病や適応障害などの精神疾患、発達障害、高次脳機能障害などで通院しており、
    医師から「日常生活や就労に支援(配慮)が必要である」という趣旨の診断書や意見書を書いてもらえれば対象になります。

  • 指定難病を抱えている場合

    厚生労働省が定める対象疾患(難病)にかかっており、
    医師の診断や意見書がある場合、障害者手帳がなくても利用できます。

  • 他の公的書類・受給者証を持っている場合

    以下のような書類をお持ちであれば、手帳の代わりとして証明資料に使える自治体が多くあります。

    自立支援医療受給者証
    (通院医療費の自己負担が1割になる制度)

    障害年金証書

手帳がない場合の注意点

・最終決定は自治体(市区町村)
受給者証を発行するかどうかの基準は自治体ごとに細かく確認されます。
手帳がない場合は、事前に主治医や自治体の障害福祉窓口、相談支援専門員に相談するのが確実です。

・「障害者雇用枠」での企業就職を目指す場合
就労継続支援における「A型・B型事業所」への利用自体は手帳なしでOKですが、
将来的に一般企業の「障害者雇用枠」へ応募・就職したいとなった場合は、法律上障害者手帳が必要になります。

手帳の取得に抵抗がある方や、現在申請中で手元にない方でも、まずはお近くの事業所や自治体窓口に相談してみてください。

再び生活に困ったら

保護から卒業。自立できた。「でも出戻り」

生活保護を脱却するほどの安定収入のある仕事を継続できたとしましょう。
それでもその後、出戻りということも、ありえます。

生活保護に再度受給(出戻り)することは可能です。

一度自立して保護を廃止(卒業)したからといって、
「過去に卒業した人は二度と受給できない」といったペナルティや回数制限のような制度は一切ありません。

拒否されることはある?

要件を満たしていれば、「以前卒業したから」という理由で申請を拒否することは法律上できません。

生活保護はあくまで「今現在の生活状況」で判断されます。
そのため、過去に卒業した履歴の有無に関わらず、以下の要件を満たしていれば再び支給されます。

  • 預貯金や資産(売却できるもの)がほとんどない
  • 現在の収入が、厚生労働省の定める「最低生活費」を下回っている
  • 働ける状態にない(または働いていても収入が不十分)
  • 親族等からの援助が得られない

再申請の際のスムーズさ

むしろ、一度保護を受けていた履歴があることで、手続きがスムーズに進むケースもあります。

  • 過去のデータが残っている

    役所(福祉事務所)側に過去の医療状況や経緯のデータがあるため、ゼロからの説明が省略できる場合があります。

  • 病気や障害の再発

    「一度就職して頑張ったけれど、病気が再発・悪化して働けなくなった」という場合、
    診断書などを提出することで、状況を理解してもらいやすいです。

注意点:「自立できた実績」を見られる場合がある

役所側から「前は自立できていたので、今回も少し頑張れば働けるのでは?」と確認されることがあります。

そのため、再申請時には「なぜ今回は生活が立ち行かなくなってしまったのか」の理由(怪我や病気の再発、会社の倒産・解雇、物価高による生活破綻など)を明確に伝えることが大切です。

無理をして生活を崩してしまう前に、
困窮したタイミングでいつでもお近くの福祉事務所や、
以前担当してくれたケースワーカー、
または自立相談支援機関に相談してみてください。

生活保護の金額の計算

生活保護の金額

何より気になる、もらえる金額は、いったいどれほどなのでしょうか?

仕事の給料、税金の支給、
というか市政に勤めている公務員も、その報酬は、税金の支給だからね。
確かに窓口とかの作業はしているから、仕事であり給料でもありますよ。

作業内容だけを見ると、その実、生産性は低いのではないですか?

どのような経緯で振り込まれる金額だとしても、これからの生活の家計基盤となる金額です。
感謝して使用しますよ。

生活保護費に含まれる大きな内訳である、
「生活扶助」と「住宅扶助」をわかりやすく表にまとめました。
そして、

生活保護費の中心となる「生活扶助」と「住宅扶助」の仕組みと、地域(級地区分)ごとの基準額をまとめました。

生活扶助と住宅扶助のまとめ

項目生活扶助住宅扶助
主な対象食費、被服費、日用品費、
水道光熱費、通信費など
アパート等の毎月の家賃、
契約時の初期費用など
支給形態基準額が定額で支給される
(使い道は自由)
上限額の範囲内でかかった実費を支給
特徴年齢・人数・地域の
「級地区分」で金額が決定
物価や家賃相場に応じた、
地域別の「限度額」がある
注意点節約すれば残額を貯金に回すことも可能管理費・共益費は対象外
(生活扶助から支払う)

地域(級地)ごとの全6区分の基準額比較一覧【単身者の場合】

生活保護は基準額として、
1級地-1、1級地-2、1級地-2、2級地-2、3級地-1、3級地-2、と細分化されています。
それぞれの地域の例と、生活扶助、住宅扶助の金額をまとめました。

生活保護費は、物価や賃金水準に応じて全国の市区町村が「1級地-1」〜「3級地-2」までの6つの区分(級地区分)に分けられています。
都市部ほど高く、地方都市や町村部ほど低く設定されています。

生活保護費は、地域別の物価や生活水準に合わせて区分されています。以下の数値は単身(1人暮らし・20〜40代想定)の目安となる支給額です。

以下は、単身世帯(加算等なし)の目安となる基準額の一例です。

級地区分地域の具体例
(都市規模の例)
生活扶助
(概算)
住宅扶助
(家賃上限)
1級地-1東京都23区、
横浜市、
大阪市、
名古屋市 など
(大都市圏)
約 76,310 円53,700円
1級地-2八王子市、
堺市、
千葉市、
静岡市 など
(政令市・中核市)
約 73,720 円53,700円
2級地-1宇都宮市、
富山市、
倉敷市、
長崎市 など
(一般的な地方都市)
約 71,460 円45,000円
2級地-2函館市、
秋田市、
高知県南国市 など
(中規模都市・郊外)
約 71,460 円38,000〜
42,000円
3級地-1小規模な市、
比較的人口の多い町村部
約 68,430 円40,900円
3級地-2人口の少ない町村部
山間部
過疎地域
約 67,210 円28,000〜
35,000円

補足と注意点

  • 実家(持ち家)に住む場合

    家賃がかからないため住宅扶助は支給されず、「生活扶助のみ」の支給となります。

  • 住宅扶助の基準額について

    1級地(53,700円)や2級地-1・3級地-1の基準は全国共通の基本枠ですが、
    2級地-2や3級地-2などの住宅扶助限度額は自治体・県ごとの家賃実態により若干(数千円程度)細分化されています。

  • 冬場の加算(冬季加算)

    寒冷地(北海道・東北・北陸など)の場合、冬期間(10月〜4月頃)は暖房費として生活扶助に数千円〜1万数千円程度上乗せされます。

あの〜、そういうこと、先に言ってもらえます?

住宅扶助の家賃補助で40,000円くらいあるとしたら、
以前あんなスラムや呪われた廃墟みたいなアパートの家賃、25,000円を、
それも労働環境の劣悪な工場にフルタイム残業ありで、ストレスに苦しみ苦悩しながら勤めていたのは、
なんだったのか!?

部屋の中の気温がマイナスくらいになって、水道管も何度も破損し、その度に最低賃金からなんとか費用を捻出した。
暖房費用を節約するため、布団と寝袋の中で震えながら過ごした期間は、
なんだったのか!?

このような、おおよそ異常とされる環境となった場合は、すぐに逃げ出し、資金は使い切ってもいいから、「生活保護窓口」に駆け込めばいい。

そして落ち着いて、「生活扶助」や「住宅扶助」はどういうものか?
という話に持っていけばいい。

生活保護制度の開始

国民権利でもある生活保護、これらはいつから始まったのでしょうか。

  • 旧生活保護法のスタート(1946年10月〜)

    ・背景
    終戦直後の混乱期における極度の物資不足・食糧難・失業に対応するため、
    GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の指示のもとで「旧生活保護法」が制定されました。

    ・内容
    困窮するすべての人を対象とする普遍的な制度としてスタートしましたが、
    「勤労意欲のない者」を除外する条項(欠格条項)が存在するなど、まだ不十分な部分がありました。

  • 現行の生活保護法へ改定(1950年5月〜)
    現在の生活保護制度のベース

    ・背景
    旧法の問題点を解消し、国民の「権利」として生活保護の位置づけを明確にするため、全面的に改正されました。

    ・内容
    1950年(昭和25年)5月に「(現行)生活保護法」が制定・施行され、現在まで続く制度の土台となりました。

    日本国憲法第25条(生存権)に基づき、「最低限度の生活を保障すること」と「自立を助長すること」を目的として明確化。

    不当な受給制限(欠格条項)の廃止や、不服申し立て(受給者の権利)の整備。

生活保護開始のあらすじ

生活保護の始まったきっかけとは、GHQが指導して、その内容を法律へと解釈したことです。
それぞれのあらすじを見ていきましょう。

最大の指導者・主導者:GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)

終戦直後の1945年〜1946年、日本には家も食べ物もない人が溢れていました。

これに対し、GHQ(マッカーサー率いる占領軍)は日本政府に対し、
「社会救済に関する覚書(SCAPIN-775)」という強力な指令を出しました。

GHQは日本政府に以下の原則を守って救済制度を作るよう命じたのです。

  • 国家の責任国家の責任で生活困窮者を救うこと
  • 差別なく公平に保護すること
  • 必要な生活費を計算して公費で出すこと

このGHQの強い要求によって、生活保護制度の骨組みが作られました。

法律を具体的に策定した人:厚生省の官僚たち

GHQの覚書を受け、実際の法律(1946年の「旧生活保護法」)を起草して成立させたのは、
当時の厚生省(現:厚生労働省)の社会局などにいた担当官僚たちです。

また、1950年(昭和25年)に、
現在の法制度へと全面的に作り直された「現行生活保護法」の制定においては、
厚生省の小山進次郎をはじめとする当時の官僚たちが法解釈や制度設計を深く主導しました。

制定時の内閣

1946年(旧生活保護法・制定時)
幣原喜重郎内閣のときに法案が国会を通り、続く第1次 吉田茂 内閣のときに施行されました。

1950年(現行生活保護法・制定時)
第3次 吉田茂 内閣のもとで、権利としての最低限生活保障を定めた現行法が制定・施行されました。

制度の前身を作った明治・大正の人々

近代日本で公的に生活困窮者を救済する制度の歴史をさかのぼると、以下の制度が前身にあたります。

恤救規則(1874年 / 明治7年)

日本初の全国統一的な困窮者救済策でした。
ただし制限が非常に厳しく、自力で生計を立てられない孤児や高齢者などに限られていました。

大久保利通らがこれを制定しました。(内務省を創設した中心人物)

救護法(1929年 / 昭和4年制定・1932年施行)

より対象を広げた生活困窮者救済の法律。

まとめ

現在の生活保護は「GHQが基本方針を命令し、厚生省の官僚たちが法律に落とし込んで日本政府が始めた」というのが正確な成り立ちです。

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